技術立国と知的財産立国 本文へジャンプ
真の技術立国、知的財産立国を目指して イメージ

近年、技術立国、知的財産立国が、日本の将来のために重要となっている。技術立国、知的財産立国を支えるのは、技術者、研究者などの理科系人材や、クリエイターなどの創造的な人材である。

技術立国、知的財産立国では、人材育成と称して、これらの人材の数を増やす議論が活発に行なわれる。そのこと自体は必要なことであろう。しかし、その結果、しばしば、理科系人材や創造的人材の地位が下がっていくという副作用の側面は見落とされがちになる。

しかし、技術立国、知的財産立国の担い手の地位が下がってしまうのでは、真の意味での技術立国、知的財産立国はできないのではないだろうか。優秀な人材が、技術立国、知的財産立国の担い手になることを誇りに思えるような社会が望まれる。真の技術立国、知的財産立国の実現のためには、理科系人材の地位の向上、創造的な人材の地位向上が重要である。

そこで、本ホームページでは、日本の未来のために、真の技術立国、知的財産立国について検討する。
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備考

(注1) 技術立国と知的財産立国という言葉を使い分ける理由


技術立国とは主として技術によって国の競争力をつけようという考え方である。
知的財産立国 とは主として知的財産(技術のほか、デザイン、ブランド、創作物等が対象となる)によって国の競争力をつけようという考え方である。よって、両者は異なる。

(注2) 技術立国、知的財産立国の類似の用語について

技術立国、知的財産立国以外にも、科学技術立国、科学技術創造立国、科学立国、工業立国、知財立国、創造立国などの言葉が用いられることがありうる。これらは、技術立国、知的財産立国と類似の用語である。
なお、本ホームページにおいて技術立国という場合、科学技術立国を意味し、科学を特に排除して技術だけを扱う趣旨ではない。科学と技術は密接に関係するものである。

(注3) 技術立国と知的財産立国は、日本の短期的な産業競争力のためだけのものなのか。


技術立国と知的財産立国は、日本の産業競争力のために必要である。この点のみを捉え、技術立国、知的財産立国の担い手である技術者、研究者、創造的人材等の地位は、低くなっても構わないという考え方もあるであろう。むしろ、積極的に、これらの人材の数を増やし、その地位を引き下げることで、激烈な競争を生じさせ、これらの人材を安価に用いることで、日本の産業競争力が増加するという考え方もありうる。しかし、本ホームページは、この考え方を採らない。このような近視眼的な方法は、少なくとも長期的には、日本の競争力を増加させないであろう。担い手の地位が低くなれば、長期的にはそこに人材が集まらなくなっていく。

本ホームページは、技術立国と知的財産立国は、短期的な日本の産業競争力のためだけにあるという文脈で捉えるのは正しくないという立場である。すなわち、より長期的に日本の社会が発展し、さらには日本発の発明や創造物が世界に広がり、世界の人々に大きな貢献をしていくことが、技術立国、知的財産立国には大切であるという見解に基づいている。日本の繁栄は、世界の人々に役に立つことから始まるのである。

担い手の人材育成も大切であるし、ときには競争も必要であろう。しかし、同時に、技術立国、知的財産立国の担い手の地位が十分なものになるよにう配慮が必要である。担い手の地位を、人員増加と過当競争によって引き下げることによって、技術立国、知的財産立国を成功させるという考え方は、本ホームページの採るところではない。技術立国、知的財産立国は、より長期的な視野で、日本が国際社会における貢献をする底力をつけるためのものであるべきであろう。

(注4) 理科系人材、創造的人材の例について

本ホームページでは、理科系人材という言葉を用いるが、これは理系、理数系、理工系、理工学系、技術系、医師薬系、農学系等の人材を広く含む概念として用いている。技術者、研究者、発明者などが例に挙げられることがあるが、これは一例である。日本の科学、技術、発明、技能を、生み出し、育て、守り、継承する、すべての人材、すなわち、技術者、研究者、発明家、科学者、職人、専門家、弁理士、特許技術者、特許担当者、特許部ないし特許部門、知的財産部(知財部)ないし知的財産部門、特許庁の審査官、審判官、官公庁の科学技術系部門、技官、理科系出身の政治家。理科系出身の経営者、科学技術政策の担当者、理科系出身の文系就職者、学校の先生、学者、技術関係の職に就く者、技術マネジメント、技術セールス、エンジニア、プログラマ、クリエーター、デザイナー、芸術家、技巧士、医師、歯科医師、薬剤師、看護婦、放射線技師、医師薬系卒業者、農学系卒業者、農業関係者者、理工系大学院、理工系学部、理工系専門学校の卒業者、理工系資格の取得者などが本ホームページでいう理科系人材のほんの一例である。

さらに、創造的人材とは、創造活動、クリエイティブな活動に携わるすべての人材を言う。文科系人材も当然含まれる。芸術家、デザイナー、作家、作曲家、画家、発明家、技術者、研究者、学者、クリエイター、職人、プログラマーなどが典型例であるが、創造的活動をしている人は、政治家、経営者、官僚、営業関係、人事関係、法務関係、総務関係など、一見固い職種を含め、あらゆる職種に及んでいる。また、理科系人材と創造的人材は、互いに相反するものではなく、理科系人材が同時に創造的人材であることも多い。これらはほんの一例である。知的財産立国は、あらゆる創造的人材の力を引き出すものでなければならない。

(注5) 技術立国を、知的財産立国と独立に取り上げる意味について

知的財産立国の方が広い範囲をカバーする。しかし、技術立国というのも大切である。科学技術は大きな潜在的な可能性を秘めたものである。新製品の発売を楽しみにしている人も多いであろう。新しい治療薬や医療機器の発展を待っている人、科学の発展により真の21世紀が訪れることを夢見ている人も多い。多くの創作活動、たとえば、本ホームページを作れるようになったのも、コンピュータ技術と、HTML(ハイパーテキスト)の発明のおかげである。このように、科学技術の役割の重要性に鑑み、本ホームページでは、技術立国(科学技術立国)を、知的財産立国の中で特に取り上げている。ただし、これは、科学技術以外の創造活動を重視しないというものではない。両者とも重要なものである。

(注6)

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(注7)

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